インプットマップ
1つのLEDプロセッサーは通常ビデオインプット1つを処理し(DVI/HDMI/VGA/composite)、接続したLEDウォールへ信号を分配します。
シングルLEDスクリーン
シングルLEDスクリーンの場合、セットアップは比較的シンプルです。プロセッサーはビデオシグナルの左上部分を占め、LEDウォールへ表示します。LEDウォールの解像度を384x192と仮定しましょう。プロセッサーの想定するアウトプットはこのような外観でしょう:
プロセッサーが通常のビデオシグナルに占めるのは左上部分のみです。このケースではビデオシグナルは1024x768ですが、一般的なビデオ解像度ならなんでもよいでしょう。プロセッサーにとって重要なのは信号左上の384x192ピクセルのみで、他は捨ててしまいます。
ショーの前に全コンテンツをこのサイズにレンダリングしてしまうことも可能ですが、アドバンスアウトプットを使用する方がもっと簡単でしょう。
アウトプットマップ
新規セットアップを作成し、'Output Transformation'(アウトプット トランスフォーメーション)ステージで、 384x192ピクセルのスライスを作り、出力の左上端に正確に配置してください。
インプットマップ
では'Input Selection'(インプット選択)ステージへ切り替えましょう。'Slice'を右クリックし、'Match Output Shape'を選びます。すると'Output Transformation'ステージとまったく同一の場所にスライスが配置されます。 ドラッグして中央に戻したら、あとはスナップ機能に任せましょう。 そしてまた'Input Selection'ステージいっぱいになるよう拡大します。 センターから比率を崩さず拡大するには、必ず、ShiftキーおよびAltを長押しした状態でおこなってください!
現在、コンポジションの2x1を占めるスライスがあり、それをアウトプットの左上角に配置します。その部分がたがわずLEDウォールで確認できるはずです。 アウトプットシェイプの初回マッチング時、インプットスライスをアウトプットシェイプと同じアスペクト比にしています。ということで、コンポジションの上辺および下辺が少しずつ無くなっている状態でしょうが、正円は潰れることなく、正円として表示されるはずです。
4 スクリーン LED ウォール
さて、あなたのステージはもっと複雑で、このような外観だと想像してみてください:
困るのは、4つのスクリーンがこのようにステージに設置されていますが、LEDプロセッサー内ではそうでないということです。 LEDプロセッサー内では、 下の画像のようなアレンジになります。LEDスクリーンを接続しているケーブルで送信するデータを最小限にするためです。
プロセッサーとステージとの関係性を想像しやすくするため、右下に Photoshopのモックアップを表示しています。
ヒント! このような4つのスクリーンも、LEDプロセッサー1つで制御できることを覚えておいてください。 コンピューターのアウトプットから送信するのは、1つの信号のみでOKです。それをプロセッサーが4つのスクリーンに分割します。 非常に複雑で、解像度の高いLEDステージでのみ、2つ以上のプロセッサー、2つ以上のアウトプットが必要となります。
アウトプットマップ
シングルLED スクリーンと同様、 まずResolumeのアドバンスアウトプットの'Output Transformation'タブで、スライスを再度作成します。 これによりプロセッサーに、プロセッサーが確認する信号を送ります。 優れたLEDサプライヤーと作業しているなら、ショーの前にアウトプットマッピングを渡してくれるでしょう。 そうすれば彼らのくれた番号を入力し、きちんとオーガナイズできるようスライスに名付けるだけで済みます。
インプットマップ
そして、インプット側では、4つのスライスすべてを選択します。 そして右クリックをし、'Match Output Shape' を選択します。4つのスライスが、アウトプットステージと全く同じポジションおよびスケールで出現します。
'Center'スライスをコンポジションの中央に正確に配置します。 そのほかのスライスを実際のステージと同じように、その周囲に配置します。 巻き尺ではとても測れないため、推測と大まかな見積もりと目見当でおこないます。 実際のところ我々は群衆に幻想を売っているので、少しばかりピクセルがずれてもさほど問題ないでしょう。
ヒント!ステージによりますが、正確性とピクセルカウントとの間には常にある種のトレードオフがあります。低ピクセルピッチのLED何台かと、大きくて荒い低解像度のスクリーンを組み合わせて使用している場合、パースペクティブに基づいた正確なインプットマップのためには、コンポジションを4K以上にする必要があります。これらのケースでは、ある程度正確性を犠牲にし、十分なフレームレートを保持するのが良いでしょう。
レイアウトに納得できたら、全スライスを選択し、キャンバスいっぱいになるまで拡大します。ここでも、ShiftとAltを押しながらおこなうことを忘れないでください!
コンテンツの配置
さあこれで、コンポジション内でプレイする内容はすべて、LEDウォールに完璧に変換されます。中央のウォールにDJの名前を表示するには、クリッププロパティを使って、サイズに合うように縮小するだけです。
さらに良いのは、Slice Transform エフェクトを使用して、任意の各スライスに直接配置することです。
ヒント!さまざまなピクセルピッチが混在したLEDウォールで作業している場合、'Input Selection'ステージで、低解像度のファイルをさらに拡大できます。これにより、出力解像度は同一に維持しつつ、大きいピクセルエリアをインプットにできます。ステージ上の全体的なイメージは、変わらずパースペクティブ上、正しく見えます。
プロジェクションマッピング
アウトプットに関する限り、プロジェクションマッピングは通常、LEDスクリーンに関する作業よりも、推測や大まかな見積もりと目見当が多くなります。それでも、良いインプットマップがあることで、大いに時間を節約できます。
8つのキューブでできた構造の例です。
その夜のオブジェクトの正確なアラインメントがわからない場合でも、このような配置になるということはわかるでしょう。
ヴェニューに着く前から、作業を開始できます。
このステージ設計でクリエイティブなオプションを使うには、いくつかの任意のコンテンツを構造全体でプレイし、そのほかのコンテンツは1キューブまたはキューブのコンビネーションのみ、とするのが良いでしょう。
インプットマップを使えば、これが簡単にできます。
インプットマップ
まずは、シェイプに従ってインプットマップを作りましょう。最初にアドバンスアウトプットでスライスを使って、まったく同じキューブシェイプを作成します。
まず、コンポジションをどのくらいの大きさに作るかを決めます。通常のHD信号 (1920x1080 ピクセル)をスタート地点としましょう。360x360 ピクセルのスライス8つが必要です。これは、オブジェクトがキューブ3つ分の高さで、1080 / 3 = 360であることから導き出せます。
つまり、Resolumeコンポジションは1080x1080になるということです。なぜなら、キューブは常に正方形だからです。ですからコンポジションのサイズは1080x1080にします。
'Advanced Output' を開き、現在作業しているのが 'Input Selection' ステージであることを確認します。
もう一度繰り返します。きっとあなたは聞き流しているからです。'Input Selection' ステージであることを確認してください。今は'Output Transformation' には用はありません。コンポジションで使用するパートを選択することのみです。
最初のスライスを作成した後、'Input Selection 'ステージの下端中央に正確に配置します。そしてコピーを作成し、ステージの実際のキューブと同じ位置に配置します。これはとても素早く実行できます。というのもAltキーを押しながらドラッグすると簡単にコピーでき、コピーはオリジナルとコンポジションのエッジにスナップするためです。
さあ!これでインプットマップができました。
コンポジション
フルスクリーン
コンポジションで、最初のレイヤー、フルスクリーンレイヤーを作成します。 これは簡単で、というのもインプットマップですでにコンポジションからの正しいインプットを把握しているためです。1920x1080のコンテンツの両サイドが切れていますがアスペクト比はそのまま保持しており、円はそのまま円の状態を保っています。
順調です。
複製
レイヤー2 を、"Everywhere"レイヤーとします。 コンテンツのコピー8つ – 1つのキューブに対し1つずつ – を配置します。
'Slices' タブから (View > Show Slices)、スクリーン1をレイヤー2にドラッグします。 はい。できました。
このレイヤーを複製します。そして各スライスのバイパスボタンを使って、バリエーションを作ります。コンテンツが必要な特定のキューブに対し複製レイヤーをいくらでも作成できます。
スペシャル
最後のレイヤーには、'Sources' タブから、アニメートしたラインを追加します。LoRezエフェクトの'Pixelation(ピクセレーション)'のパラメーターをほぼ最大にし、9個の白いブロックをオン/オフさせます。これをマスクまたはストロボ的なバンプコンテンツとして使用します。
アウトプットの整列
ヴェニューに着いてプロジェクターに接続したら、'Output Transformation' ステージに行き、スライスを全て選択して右クリックします。'Match Input Shape' を選ぶと、インプットステージと同じ場所にスライスが出現します。
キューブグリッドを移動およびスケーリングし、大体の位置に配置します。必要な場合は、各コーナーポイントをドラッグして、プロジェクションに正確にアラインします。少しの作業で、投射されたインプットマップは実際のオブジェクトに正確にラインナップします。
カスタムコンテンツ
正確なインプットマップを作成したので、カスタムコンテンツを通常のVJコンテンツに容易にミックスできます。コンテンツ内で、キューブを360x360で、クリップを1080x1080で作成している限り、他のコンテンツと綺麗にラインナップできます。
VJFitには、このセットアップについて、シネマ4Dでのカスタムコンテンツ作成方法を学ぶのに素晴らしいチュートリアルがあります。
そしてさらに役立つのは、同じショーを別のロケーションで行う際に、同じアニメーションとインプットマップを再利用できることです。新しいプロジェクターロケーションに合わせてアウトプットを調節するだけで、すぐにショーがおこなえます!
非幾何学的オブジェクト
非幾何学的なオブジェクトで作業する際、インプットマップ作成はコンテンツに依存する必要があります。例えば、このようなインフレータブルスカルをマッピングするには、まずコンテンツをCinema 4Dで、実際のスカルのサイズに基づいて作成する必要があります。
そうしたら、スカルをオブジェクトのメジャーな部分ごとに、ポリスライスに分割しましょう。前頭部のスライス、目の部分、顎、鼻、左頬と右頬、上の歯、下の歯と顎先に分割します。もちろん、お好みによりさらに多く/少なく、さらに正確に/ざっくりと、スライスを作成することもできます。 例えば歯1本1本でポリスライスを作っても構いません。
そうしたら、各ポリスライスをプロジェクションにざっくりと配置およびスケーリングして、ポイントを微調整しきっちりと整列させます。
ヒント! プロジェクションマッピング作業は、サーモスでお茶でも飲みながら、良い音楽を聞いたりして、こまめに休憩をとりながらやりましょう。マッサージも良いかもしれません。